最近知ったのですが、服の上から付けるブラジャーがファッションとしてあるみたいです。実際には、ブラジャーではないとのことなのですが、具体的な名前を知っているわけではないので、ブラジャーと呼びます。
そのブラジャーを、こないだ飲み会に参加した時、付けていた女性が居ました。居てしまった。私個人としては、ひたすら興味の対象でしか無く、私はブラジャーと見つめ合いました。視線のレーザービーム。ブラジャーの瞳の色はグレー。
物と見つめ合ってもこの好奇心は解消されないので、勇気を出してそのブラジャーについて付けていた女性に尋ねてみたところ、
"その、服の上につけている、えっと、下着?って何なんですか?"
"ファッションです"
たった一言だけの答えが返ってきました。しかも、考えなくてもわかることを。
結局、服の上から付けるブラジャーに関して全く情報を仕入れることができず、だんだんと興味は薄れていき、会話に夢中になり始めました。
しかし、このブラジャー、一過性のものではなかったのです。
不意に視界に入ったブラジャーが、胸の位置から腹の位置まで落ちていたのです。お、おまえ、実は腹巻だったのか。というか、もはやファッションブラジャーとして生きていくよりも、ブラジャーの形した腹巻として生きたほうが、ウケるまである。そうに違いない。
さすがに気になり過ぎましたので、本人に指摘したところ、周りの連中も気になっていたのか、みな口々にブラジャーに対して言及しました。お前らも、ブラジャーと視線のレーザービーム交わしてたんだな。俺が最初に言及した時、きっと耳は傾けてたんだろうな。俺だけにセクハラさすな。
女性は、ありがとう〜、と言いながらグイグイっと腹巻を胸に持ち上げました。グイグイし過ぎて、ない胸が摩擦でもっとなくなるくらいに。
結局、このやり取りは一度だけではなく、飲み会の最後まで続きました。
ブラジャーは腹巻になろうとする。女性は自分の胸を削りながら、腹巻になろうとするのを阻止する。絶対、釣り合っていない。
その女性は帰る時に邪魔になったのか、サコッシュみたいに肩に掛けて帰って行きました。お前、サコッシュにもなれるのか。
以上が、私が知る服の上から付けるブラジャーの実態です。
ファッションって難しいですね。