古今東西、様々なローカルルールというものが存在する
代表的なものをあげるとすれば、
たとえば大富豪というトランプゲーム
9を2枚出せば "救急車" という役になり、8切りと同等な効果があったりなかったりと他にも沢山ある
たとえば麻雀
これに関しても非常に多いらしい。麻雀をやらないので詳しく知らないが、例をあげたいのでウィキペディアで調べてみた。
「緑一色輪」というローカル役が存在するらしい。
おそらく手牌を緑色で描かれた牌で統一すれば良さそうな気がするが、実際の役意味までは調べてないのでわからないし、そもそもこの漢字をなんて読んだらいいのかすらわからない。リューイーシーリン?留意尻ん?
特に最後の「輪」の存在価値がわからない。「緑一色」ではダメなのか
「輪」という漢字一文字に対して、産まれて20数年の自分のイマジネーションでは到底思いつけない中国2000年の趣が存在するのか
『「緑一色」だけじゃ物足りねぇなぁ。
お、「輪」って最後に付ければ趣が生まれて良い字面になんじゃねぇのか?ほら、ポテトに添えるパセリみてぇなよぉ!?居なくてもいいのに居てくれてシェイシェイな、輪!』
とてもじゃないが、自分みたいな常人の感覚では「輪」という字に趣は見出せない。
どうせならもっとカッコいい「爆」とか「豪」にすれば良いのに。緑一色爆豪。超イカしてる。手汗が起爆剤になりそう
「輪」に趣を感じる人間ってすげぇ。同じ人間として誇らしい。
同じ人間に生まれてよかった、おらも地球に生まれてよかっただぁ!!
そんなブログ冒頭挨拶。
自分の地元にもいくらかローカルルールが存在しているのだが、その中のひとつを紹介したい
これと言った名前はないが、仮称するなら "キンタマウォーズ"
これがどんなものか説明すると、お互いの隙を見つけた瞬間にチンチンを叩く、というものである。言葉では理解できない、心で理解するもの
というか、こんなものはローカルルールにカテゴライズしてはいけないかもしれない。ローカル遊戯とかそっち系。遊戯っていう言葉が当てはまるかどうかも怪しい。だってチンチン叩くんだもん。ただの暴力、戦争。だから、ウォーズ。
キンタマウォーズの楽しみ方は、叩かれて痛がっている奴を見て笑う、ということに尽きる。自分が知っている中で最底辺なゲームで、これより程度が低いゲームを見たことないし、知りたくもないし、存在しないでほしい
そもそもこんなことするメリットがほとんどない。無理矢理メリットを述べるなら、キンタマが物理衝撃に強くなったことと、キンタマに迫る危機へのフルオート反射神経化。
反射神経高まり過ぎて、急にこっち振り向くだけでびびるし、人の腕が動くだけでキンタマ守っちゃう。他人から見たら「なんでキンタマ触ってるの?」って、色々あらぬ疑いかけられるかもしれないし、過敏な反射神経は良いことではないかもしれない
何が楽しくてこんなことしているのか、イマイチピンとこないが、キンタマウォーズの歴史は長い。
幕開けは、10年以上前。自分らが小学生の時まで遡る
当時はまだジャレあいだった。叩くとしても、ウェーイみたいなソフトタッチ。アフン❤︎とかアッハー★とかリアクションし合ってた
あの時は平和だった、幸せだった。幸せは失ってからやっと気付くという言葉が心に染みる
中学生の時から超過激になった
アフン❤︎アッハー★とかそんな優しくて気持ち悪いリアクションできないくらいの痛さが頻発した。てか、そもそもキンタマ触られてアフン❤︎って言った覚えがないし、アフン❤︎って言ってる奴が居たらそいつはアブナイ
キンタマウォーズにおいて、不意打ちは当たり前で、蹴りとかしてる奴もいたし、宣誓なく誰も見てない状況下で殺るアサシンもいたし、やられてガチギレしてた奴もいた
この戦争において基本的なスタンスは『「ブッ殺す」と心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているんだッ!』で、みな警戒してるためか、全員が常にキンタマに手を添えてガードしていた
横一列に並んでいる男全員がキンタマに手置いているという状況が異様なのにも関わらず、その時の自分らはそれがデフォであり、毎日であった。
キンタマウォーズのパワーインフレが日に日に増していき、制御不能な領域に入りつつあった
ていうか、中学時にキンタマウォーズすなよ。色恋沙汰に頓着する年齢じゃないの?もっとさ、どうやったら女の子の気を惹けるか青臭く話してろよ。キンタマの上に手置いてるなよ
一度だけ出血沙汰になったことがある
キンタマを殴られたせいで血尿とかではなくて、
キンタマをガードしている手に画鋲を隠して、殴ってきた奴の手に怪我させたという、ちょっと理解し難いことをしたのである
さすがに引いた。どう考えても危ねぇだろ。
お前はあれか?正当防衛とか言って、人とか殺しちゃうタイプの人間か?
これが大問題になったとして、大人から
「どうして画鋲で人を傷つけたのですか?」
って聞かれたら
「キンタマの前に画鋲を設置してただけです。向こうが自分から画鋲に刺されに来ました」
って答えられたの?そんなカルト的な言い訳が通ると思うなよ。どう考えても画鋲を仕込んだお前が悪いからな。それから、画鋲って手に仕込む物じゃないし、キンタマを守るものじゃないんだわ。画鋲って壁に刺さっているものなんだよ。
画鋲が壁に刺さってて、その画鋲見ても、
「あ、画鋲だ」「うん、画鋲だね」がアンサーで
「あ、画鋲だ」「取ってキンタマ守るわ」は不正解なんだよ
この出血沙汰のせいで、俺の中のお前のアイデンティティは「画鋲」。Mr.画鋲。10年経った今でも俺はお前に会うたびに「画鋲」を警戒しなきゃならねぇ
つか、そもそも、キンタマって叩いて遊ぶもんじゃねぇんだわ。しかもガードしてるのに叩こうとするなよ
キンタマを狙われる恐怖の日々を過ごしつつ、月日は経ち自分達は中学校を卒業してしまった
中学校とはおさらばしたが、キンタマウォーズとはおさらばできなかった
これは高校時代も続き、高校卒業して今現在までも続いてしまっている。時間は無慈悲に過ぎていき、自分達は下手な大人になってしまった
中高時代は学校というケージの中でやっていたものを、いまは公共の場所でやってしまっている
時には、道
時には、電車
時には、飲食店
時には、海ほたる
時には、ディズニー
ところ構わずキンタマウォーズが行われている。終わらない戦争。終止符はいつ打たれるのか。
誰かのキンタマが完全に潰れるまでなのか。誰かが結婚等を通して大人になってしまう時なのか。
お願いだから、自分のキンタマ以外で潰れてくれ。もしくは結婚させてくれ、というか結婚したい。結婚ってどうやったらできるのぉぉお!!
30歳までにはキンタマウォーズを辞めていたい。